2011年05月14日
サービス レポート スズキDF70
本日、終了~です
先日の船外機 スズキDF70psのトラブルの一例です.....
アッパーケーシングの排気ポートの電触
クランクシャフトオイルシールの劣化(オイル漏れ)
ギヤオイル乳化(オイルシール劣化 海水の浸入)
E/G回転の低下
以上のトラブルです。
では、まずアッパーケーシング
これはパワーユニットの下部にある部分です。
ちょうど、ステアリングの首部分になります。
オイルパンとパワーユニットの間ですね
四角い大きな開口が排気ポートになります。
右側上部に電触で穴が開いています
小さい開口が冷却水の通り道になります。
排気ポートと冷却水のジャケットは隣り合わせの構造になってます。
排気ポートに穴が開いたため海水が吸い込まれます。
これは、排気工程が終了し排気バルブが閉じるときに負圧が発生します。
いわゆる、吸い込み状態になります。
その工程に海水が排気バルブからシリンダー内に入りピストンリングが
固着したり排気バルブのリフト量の減少 シート面の電触など
の症状がでます。(圧縮低下)
外観ではなかなか確認できない部分ですので簡単な発見には
E/Gオイルの乳化 ブローバイホース内の白濁 オイルキャップの
内側の白濁などで異常確認できるかと思います。
少し白っぽいなと思ったらすぐに修理をおすすめします。
今回のE/Gも海上係留艇です。
使用後、E/G停止 すぐには止めずE/Gを冷やす為、
アイドリングでしばらく運転して下さい。
(アフターアイドリング 余熱による海水の結晶化防止 オイルパンガスケットの不良など)
チルトUPの前にE/G左舷側に水洗用のキャップ(スズキDF)
が付いていますので取り外せばシリンダー内の海水が出てきます。
十分に海水を排出させて元どおりにキャップをしてチルトUPします。
海にキャップを落とさない様に気をつけて下さい。
完全とは言えませんが塩害予防策として良いかと思います。
次に、クランクシャフトオイルシールの不良ですが、経年の劣化と思われます。
DFシリーズはクランクケースにはさまれた様にオイルシールが取り付けされています。
ですので、残念ながらE/Gを分解~!!
バラバラ.......
皆さん、これが、E/G構造 部品たちです。
クランクシャフト
ピストン コンロッド
シリンダー
今回は海水により錆が発生していましたので
ホーニングしました。
シリンダーヘッド
バルブ
小さいのが吸気 大きいのが排気バルブです。
カーボンや塩の結晶などを取り除き清掃済みです。
ピストン (清掃後)
ここまでバラシたのでピストンリングも交換します。
ピストンもピカピカに
E/G内部をすべて清掃し組み付け!
後は、オイルポンプ オイルパン ストレナーなど
オイル通路をすべて清掃し組み立て完了!
最後に新しいオイルフィルター E/Gオイル
タイミングベルト サーモスタット プラグ交換
プラグなのですが、ここ最近、オーナー様自身などで
イリジュウムプラグに交換されておられる方が
おられますが、注意が必要です!
E/G不調の原因のひとつです。
アイドリング不良 出力不足の原因となっております。
これは、マリンジェットにも同じ症状が出ていますので
必ず、標準プラグを選別して下さいね!
マリンE/Gの場合、アイドリング時には、E/G
冷却も兼ねて燃料が若干濃い目に設定されています。
この為に、イリジュウムプラグの性能を低下させる
状態(燃料過多によりカブリ状態)になっていると
思われます。
E/G温度 油圧 排気温度など
環境により燃料吐出量も変化しています。
高性能イリジュウムプラグの電極も
白金 プラチナとより良い火花がでる様に
出来ておりますので、デリケートな物です。
一度カブリ状態になれば性能が発揮されません。
皆さん、気をつけて下さいね!
いよいよ、陸上試運転から海上試運転
順調な吹き上がり! オイル漏れ 乳化もなく
E/G回転も修理前、5100rpmから5600rpmに
完成!
本日、オーナーに引渡しとなりました。
尚、ご不明な点、分からない事など有りましたら
いつでも、ご相談下さい。
K’s marine
先日の船外機 スズキDF70psのトラブルの一例です.....
アッパーケーシングの排気ポートの電触
クランクシャフトオイルシールの劣化(オイル漏れ)
ギヤオイル乳化(オイルシール劣化 海水の浸入)
E/G回転の低下
以上のトラブルです。
では、まずアッパーケーシング
これはパワーユニットの下部にある部分です。
ちょうど、ステアリングの首部分になります。
オイルパンとパワーユニットの間ですね
四角い大きな開口が排気ポートになります。
右側上部に電触で穴が開いています
小さい開口が冷却水の通り道になります。
排気ポートと冷却水のジャケットは隣り合わせの構造になってます。
排気ポートに穴が開いたため海水が吸い込まれます。
これは、排気工程が終了し排気バルブが閉じるときに負圧が発生します。
いわゆる、吸い込み状態になります。
その工程に海水が排気バルブからシリンダー内に入りピストンリングが
固着したり排気バルブのリフト量の減少 シート面の電触など
の症状がでます。(圧縮低下)
外観ではなかなか確認できない部分ですので簡単な発見には
E/Gオイルの乳化 ブローバイホース内の白濁 オイルキャップの
内側の白濁などで異常確認できるかと思います。
少し白っぽいなと思ったらすぐに修理をおすすめします。
今回のE/Gも海上係留艇です。
使用後、E/G停止 すぐには止めずE/Gを冷やす為、
アイドリングでしばらく運転して下さい。
(アフターアイドリング 余熱による海水の結晶化防止 オイルパンガスケットの不良など)
チルトUPの前にE/G左舷側に水洗用のキャップ(スズキDF)
が付いていますので取り外せばシリンダー内の海水が出てきます。
十分に海水を排出させて元どおりにキャップをしてチルトUPします。
海にキャップを落とさない様に気をつけて下さい。
完全とは言えませんが塩害予防策として良いかと思います。
次に、クランクシャフトオイルシールの不良ですが、経年の劣化と思われます。
DFシリーズはクランクケースにはさまれた様にオイルシールが取り付けされています。
ですので、残念ながらE/Gを分解~!!
バラバラ.......
皆さん、これが、E/G構造 部品たちです。
クランクシャフト
ピストン コンロッド
シリンダー
今回は海水により錆が発生していましたので
ホーニングしました。
シリンダーヘッド
バルブ
小さいのが吸気 大きいのが排気バルブです。
カーボンや塩の結晶などを取り除き清掃済みです。
ピストン (清掃後)
ここまでバラシたのでピストンリングも交換します。
ピストンもピカピカに
E/G内部をすべて清掃し組み付け!
後は、オイルポンプ オイルパン ストレナーなど
オイル通路をすべて清掃し組み立て完了!
最後に新しいオイルフィルター E/Gオイル
タイミングベルト サーモスタット プラグ交換
プラグなのですが、ここ最近、オーナー様自身などで
イリジュウムプラグに交換されておられる方が
おられますが、注意が必要です!
E/G不調の原因のひとつです。
アイドリング不良 出力不足の原因となっております。
これは、マリンジェットにも同じ症状が出ていますので
必ず、標準プラグを選別して下さいね!
マリンE/Gの場合、アイドリング時には、E/G
冷却も兼ねて燃料が若干濃い目に設定されています。
この為に、イリジュウムプラグの性能を低下させる
状態(燃料過多によりカブリ状態)になっていると
思われます。
E/G温度 油圧 排気温度など
環境により燃料吐出量も変化しています。
高性能イリジュウムプラグの電極も
白金 プラチナとより良い火花がでる様に
出来ておりますので、デリケートな物です。
一度カブリ状態になれば性能が発揮されません。
皆さん、気をつけて下さいね!
いよいよ、陸上試運転から海上試運転
順調な吹き上がり! オイル漏れ 乳化もなく
E/G回転も修理前、5100rpmから5600rpmに
完成!
本日、オーナーに引渡しとなりました。
尚、ご不明な点、分からない事など有りましたら
いつでも、ご相談下さい。
K’s marine
Posted by 檀ノ浦マリーナ at 22:32│Comments(1)
│Ks Marine の独り言
この記事へのコメント
DF70の整備を探していてこちらにたどり着きました、素人のdiyでは厳しそうですね。
因みにこれだけの作業を依頼するとおいくらくらい掛かるのでしょうか。
因みにこれだけの作業を依頼するとおいくらくらい掛かるのでしょうか。
Posted by BM at 2017年01月02日 16:30